株式用の計算機ではロットのサイズを決められない理由
株式では、ポジションのサイズは株数×価格という一つの掛け算で決まる。1株の価格はそのままの価格であり、ストップにかかるリスクは何株買ったかから直接導ける。FXと先物ではこの近道が成り立たない。FXの標準ロットは基軸通貨の1単位ではなく100,000単位であり、ストップが実際にいくらの損失になるかは、1pipの値動きが口座通貨に換算していくらになるかで決まる。先物契約も仕組みは同じだが単位が異なる——1ポイントの価値は取引所が契約ごとに固定しており、その数値は銘柄の表示価格とは無関係だ。
根底にあるリスクの式は変わらない——リスクにさらす金額は、その距離の1単位あたりの価値にストップ幅を掛けたものであり、トレードに設定したリスク予算に収まるようにする。変わるのは、その1単位に何を当てはめるかだ。株式では株価、FXではpipの価値、先物ではポイントの価値になる。この違いを飛ばして株式用の計算機からそのままロット数を借りてくると、契約倍率の分だけポジションのサイズを誤ることになる——FXの標準ロットの場合、その倍率は100,000対1だ。
pipの価値とは何か、レートがどこで関わるか
pipの価値を決済通貨建てで表すと、pipサイズ×契約サイズになる。100,000単位の標準ロットでpipサイズが0.0001なら、1pipあたり決済通貨10単位だ。EUR/USDなら標準ロットで1pipあたり10USDになる。USD口座では決済通貨がすでに口座通貨と同じだからだ。換算の必要はなく、レート欄は1のままでよい。
決済通貨が口座通貨と異なる場合に話が複雑になる。USD/JPYは円建てなので、ドル建ての口座ではそのpip価値を円からドルに換算する必要があり、これはUSD/JPYのレートそのもので割ることになる。このページはそのレートを自動取得しない——どの通貨ペアの価格もダウンロードしないし、この一項目のためにそれを始めるつもりもない。レート欄は入力された数値をそのまま使うだけだ。1のままにしてよいのは、決済通貨がすでに口座通貨と一致している場合に限る。
2つの計算方向
ロットのサイズ計算は、株式のポジションサイズ計算と同じ2つの方向で行える。順方向はpipまたはポイントでストップ幅を決め、そのストップとリスク予算から何ロット・何契約まで許容されるかを求める。逆方向はロットサイズ——ブローカーの最低ロットや切りのよい数量、あるいはすでに決めている数量——から始まり、そのリスク予算を超えない範囲でどこまでストップを広げられるかを求める。
逆方向の問いは、株式のときよりもここではより重要になりやすい。FXブローカーは最低ロットを定めており、先物契約は1契約未満に分割できないからだ。0.1ロット刻み、あるいは整数の契約数に限られるトレーダーは、セットアップが求めるどんなストップ幅でも自由に置けるわけではない。実際に取引できるサイズに見合うストップがいくらなのかは、ポジションを持った後ではなく、持つ前に知っておく価値がある数値だ。
サイズが収まらないとき
小さいリスク予算と広いストップの組み合わせでは、1マイクロロット未満、あるいは1先物契約未満という、存在しないサイズを求めることになりかねない。結果はそこで終わらせず、同じリスクで取引可能な最小サイズに収まるストップ幅もあわせて示す。最初に返る数値がゼロであっても、答えが役に立つようにするためだ。
そこから先に正直な選択肢は3つある。ストップを狭める——ただしチャートの構造が実際にそれを裏付けている場合に限る。水準ではなくサイズに合わせて決めたストップは、ストップを置く意味そのものを損なう。リスクのパーセンテージを下げる——ポジションはさらに小さくなり、その縮小した比重でもそのトレードを口座が受け入れられる場合にのみ価値がある。あるいは、この契約はこのリスクでは口座に合わないと認めて見送る。構造がどのストップを許容するかはこの計算機が決めることではない——メソドロジーのページで、ストップの置き方についての考え方を説明している。