決めるのは期待値であり、勝率単独ではない
期待値とは、トレードが到着する順番について何もわからない段階で、1トレードが平均していくらの価値を持つかを表すものです。勝率にリスクリワード比率を掛けたものから、負け率に1単位の損失コストを掛けたものを引いた値であり、結果はR、つまり取ったリスクの単位で表されます。100回中45回勝ち、リスク1に対してリワード2のシステムは、0.45×2から0.55を引いた0.35Rを生み出します。勝率だけでは何もわかりません。勝ちと負けそれぞれの価値を語っていないからです。
だからこそ、損益分岐となる勝率がその隣に置かれています。リスクリワード比率が2のとき、3回に1回勝てば収支は釣り合うため、45%は余裕を持って上回っています。比率が1のときは半分の勝率が必要になり、45%は一転して負けるシステムになります。決めるのは常にこの組み合わせであり、片方だけではありません。入力した勝率が本物なのか、それとも短く運の良かったサンプルの残りかすなのかは、これだけでは何も判断できません。それを問うページが、当社の運か、エッジか?計算ツールです。
複利は、そこにある資金の上で働く
複利が働き始めるのは、リスクが固定額ではなく口座に対する割合になった瞬間からです。20,000の1%は200ですが、好調な期間が続いて口座が30,000になれば1%は300になり、同じトレードでも半分だけ大きくなります。損失が続けばその逆で、ポジションはそれを支える口座とともに縮みます。すべてのトレードはその瞬間に立っている資金に対して適用されるため、0.35Rのトレードを100回重ねても、単純に35Rの成長にはならないのです。
この差は端数処理の話ではありません。平均トレードにトレード数を掛け合わせる方法は、口座の規模が一度も変わらなかったかのように扱ってしまい、その値と複利で計算した値との差は、一連のトレードが進むごとに広がっていきます。そのすべてを支えているのはその平均トレードであり、その数値がどこから来たのかは、その上に積み上げる計算そのものよりも重要です。決済済みのトレード一覧を当社の期待値計算ツールに通せば、仮定の数値ではなく実測の数値が得られます。
最悪の回と最良の回の間の距離が示すもの
なめらかな経路は便宜的なものにすぎません。同じトレードを違う順番で行えば、口座は違う道筋をたどって違う場所に着きます。各トレードの大きさが、その直前までのトレードが残した結果によって決まるからです。序盤に6連敗すれば下方向に複利がかかり、その後のすべてのトレードは小さくなります。6連勝すればその逆です。このページはその実験を、勝率とリスクリワード比率を固定したまま何度も繰り返し、各回がどこで終わったかを報告します。100回中最悪の5回、中央値、そして最良の5回です。
最初と最後の間の距離こそが、この実験全体の要点です。それは誤差ではなく、平均化して消し去るべき雑音でもありません。それは、限られた回数のトレードにひとつの優位性を適用したときに、実際に生まれるものです。まったく同じシステムを運用する2つの口座でも、順番だけで大きく離れた結果に終わることがあります。中央値だけを読んでそれを結果と見なすことは、このページで犯しうる最も高くつく間違いであり、だからこそ中央値は最悪の5パーセントを添えずに示されることはありません。
悪い連敗も取引のうちである
同じ理屈は連敗にも当てはまります。45%の確率で勝つシステムは55%の確率で負け、その負けは行儀よく等間隔にはやってきません。6連敗は故障ではなく、優位性が働かなくなった証拠でもありません。その勝率であれば、100回のトレードの中でほとんどの人が思うよりずっと頻繁に現れます。中央値の経路の最大ドローダウンがこのページにあるのはそのためです。それは災害的な事態ではなく、ありふれた不調期にすぎません。
その不調期が何を犠牲にするかは、渦中にいるときではなく、一連のトレードが始まる前にじっくり考えておく価値があります。損失と、それを取り戻す利益は同じ大きさではないからです。当社のドローダウンとリカバリー計算ツールは、一方をもう一方に変換します。開始資金の5分の1を下回った回の割合がここにあるのも同じ理由です。1トレードあたりのリスクと勝率のある組み合わせでは、本当にプラスの優位性であっても、それを運用する口座の一部を破産させることがあり、その割合の大きさを決めるのはシステムではなく1トレードあたりのリスクです。